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試験改訂法
・試験機器内の溶液の上方に気流を流して波を発生させる。−MNS試験
・海上における撹拌を想定して大型水槽や水路内に波を発生させる。−デルフト水理学研究所試験、多段堰水路
(2)撹拌エネルギーの大きさ
撹拌エネルギーの高い3以上は8ケース(エネルギー可変可能な3ケースを含む。)で全体の60%を占めている。また、エネルギーなしは1ケースあるが、これは油処理剤に起因する油−水界面の表面張力の変化を測定する方法である。
なお、撹拌エネルギーの大きさの判定は、分散された油滴の大小により評価されている。すなわち、撹拌エネルギーが大きく、エネルギー投入時間が長いほど、油滴の直径が小さくなるとしている。
(3)油/水比(OWR)
油と水の体積比(OWR)ば、乳化率の測定値に影響する。例えば、少量の水に親水性が強い界面活性剤が含まれていると、大量の水を使用する試験法と比して油の乳化率が高くなる。これは、水量が多いと親水性界面活性剤の溶解度が高くなり、油−水界面の接触量が少なくなり、その結果OWR値が低い試験法では、油の初期乳化率が不安定となる可能性がある。
数種の試験法のOWR値を比較すると、
油:海水 試験法
1:25 舶査第52号
1:50 ラボファイナ試験法
1:600 MNS試験法
1:1,300 EPA試験法
であり、ラボファイナ試験法のOWR値を基準とした場合、海水の比はMNS試験法が12倍、EPA試験法が26倍と大きい。このことは、親水性界面活性剤が水中に溶解し、希釈することで、試験条件が著しく異なり、乳化率の値を左右する要因となる。
OWRに関するもう1つの問題として、乳化した油滴同士の衝突と凝集合一が

 

 

 

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